【バイヤー日記】3月の「生命の言葉」(東京都神社庁)について

こんにちは。バイヤーの中西です。
皆さんは「神社庁」という名前を聞かれたことがあるでしょうか?「庁」がつくから行政機関なのかな?と思われるかもしれませんね。 実は、ここはお役所ではなく、文部科学省所轄の包括宗教法人なんですね。
(昔は神祇院⦅じんぎいん⦆と言って国家機関⦅内務省⦆の外局の一つでした)

神社庁はすべての都道府県に1つずつあり、そのトップは東京都渋谷区代々木にある「神社本庁」です。神社本庁は全国にある約8万社の神社を包括する組織で、伊勢神宮を本宗として仰いでいます。神社庁として設立されたのは第二次世界大戦後の1946年とそれほど古くはありません。

ちなみに、神社本庁のトップは誰なのか?こんなことも気になりますよね?
これは「統理」(とうり)と呼ばれる方だそうです。統理は誰もがなれる役職ではなく、基本的に旧華族の人たちが代々受け継ぐそうです。(華族というのはいわゆる明治以降の貴族で、昭和になって廃止されましたが、1011家ありました)そして、その下には総長と呼ばれる方がおり、実質的に神社本庁を取りまとめている責任者です。会社でいうと会長が統理、社長が総長といった感じでしょうか。

さて、前置きが長くなりましたが、私は、東京都神社庁が毎月発行している「生命の言葉」というものを読んでおりますが、私の大好きな言葉を3月の「生命の言葉」で見つけました。

「春風を以って人に接し 秋霜(しゅうそう)を以って自ら粛(つつし)む」

これは江戸時代末期の儒学者であり、朱子学や陽明学の大家である佐藤一斎が「言志後録」で書いた言葉です。(私も学生時代けっこう読みました)これは「春の風のように暖かい心で他人に接し、秋の霜のように厳しい気持ちで自らを律する」という意味です。佐藤一斎の思想は己を律する姿勢を窺わしめるものとして、幕末の志士の間で名声高いものでありました。この門下生として学び、あるいは語録によって影響を受けた人々の中には、佐久間象山、勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰、木戸孝允、伊藤博文、山形有朋、西郷隆盛等 明治の有名な先駆者がたくさんいました。

最近の風潮を見ると、残念なことに、人に厳しく自分に甘いというケースが多いように感じます。それは「権利は主張するが、義務は果たさない。何とか自分だけ楽をして得をすることを考える。相手の迷惑を考えず、人を騙してでもお金儲けをする。」といったようなことです。

私も今まで社会で活躍しておられる素晴らしい方々にたくさん出会いましたが、偉くなられている方は皆さん自分を厳しく律して、他人には春風の態度で接しておられたように感じました。

私は、毎年、春になるとこの言葉を思い出し、常にこのようにありたいと感じています。

機会があれば、是非、「言志四緑」等の本にもふれてみてください。

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