読者の皆様、こんにちは!オマツリジャパンのお店でバイヤーを務める中西です。
さて、前回の長野市から中央本線で愛知県へ移動。今回は、愛知県の常滑市というところに来ております。
少し読み難い地名ですよね。これは「とこなめ」市と読みます。常滑市は昔から焼きもので有名な街なんです。まず、常滑市陶磁器会館に立ち寄りました。そこで焼きものについて教えていただいたことを少しお話しします。
日本全国各地には焼きものの生産地が点在し、経済産業省の「伝統的工芸品」* に指定されているものだけでも31種類あるそうです。
日本古来の陶磁器窯のうち「中世(平安末期~安土桃山時代)から約900年以上の歴史があり、現在も生産が続いている」という条件に合致した6つの窯を総称して「日本六古窯」と呼んでいます。
具体的には、信楽(しがらき)、備前(びぜん)、丹波(たんば)、越前(えちぜん)、瀬戸(せと)、そして、今回、訪問している常滑(とこなめ)の6つがそれにあたります。
この「日本六古窯」は、朝鮮や中国から渡来した製陶技術による近世からの窯(萩、唐津、有田、高取、薩摩など)とはハッキリと区別され、日本生まれの日本育ちの生粋の「日本のやきもの」とされているそうです。
* 製造過程の主な部分が手工業的で伝統的な技術又は技法により製造される等の要件を満たしたものとして経済産業大臣からの指定を受けたもの
私は、約1時間かけて「常滑やきもの散歩道」を歩きました。
「常滑やきもの散歩道」とは窯業集落を歩ける散歩道であり、今も点在する煙突・窯・工場など、時代と共に使われなくなった歴史的産業遺産を巡る観光スポットとなっています。
また、この集落には現在でも多くの作家や職人が住み、創作活動をしており、素敵なギャラリー、雑貨店、カフェなどがあります。
【常滑やきもの散歩道にある土管坂】
【ギャラリーや雑貨店】
街を歩いているとLIXIL(リクシル)の案内看板をけっこう見ます。
皆さんご存じのLIXILの前身の一つである(株)INAX(旧 伊奈製陶)が常滑焼の産地である常滑市(旧 愛知県知多郡常滑町)において1887年(明治20年)頃から陶管の製造をしており、街全体の発展に大きく寄与しているそうです。
さて、その後、(株)梅月冨本人形園さんを訪問させていただきました。
創業75年、常滑焼の招き猫は、丸い大きな目と、二頭身のフォルムが特徴だそうです。
(株)梅月冨本人形園さんの招き猫は、なんと全国シェアの約80%を生産しており、日本全国はもちろんのこと、海外にも輸出しています。
ここで少し招き猫のルーツについてお話しさせていただきます。招き猫は、なぜ犬ではなく、猫になったのでしょうか?
昔の猫は、ねずみを駆除して穀物を守る仕事をしてくれていました。昔は、今ほど建築構造がしっかりしていなかったため、ねずみの侵入による農作物の被害は深刻でした。そのため、駆除してくれる猫を「おいでおいで」と呼び、猫が住み着いた家は、商売繁盛につながり、福を呼ぶ動物と言われるようになったそうです。
招き猫の製造過程
今回、招き猫を製造する過程を丁寧に教えていただき、許可をいただいて写真撮影をさせていただきました。
【1. 粘土から製作開始】
【2. 粘土をかくはん】
【3. 型に粘土を流し込み】
【4. 型から粘土を取り出す】
【5. 乾燥】
【6. 焼き作業】
【7. 塗り作業】
【8. 完成!】
仕上げの塗り作業ですが、毎日、約120体の招き猫を4名が手作業で塗るそうで、とても大変な作業です。まさに猫の手も借りたいほど忙しいそうです。
お忙しい中、お時間をいただき本当にありがとうございました!
これからもどうぞ宜しくお願いいたします!
弊社のECサイトでもこの招き猫の一部を取り扱いさせていただいておりますので、是非、お買い求めください!
◆株式会社梅月冨本人形園
【住所】愛知県常滑市保示町2-161
【電話】0569-35-2257
【営業時間】9:00~12:00 13:00~17:00
【定休日】土日祝日・GW・お盆・年末年始
【アクセス】名鉄常滑線、名鉄空港線「常滑駅」から車で6分
次回は、岐阜県高山市の郷土玩具についてお話しさせていただく予定ですのでお楽しみに!