【バイヤー日記】バイヤー中西の出張日記〜岐阜県・高山市編〜

こんにちは!(株)オマツリジャパン オマツリ暮らし創造部 バイヤーの中西です。
今回は、岐阜県高山市に行ってきました!高山市は日本で一番面積が大きい市で、その面積は約2,177平方キロ。なんと東京都とほぼ同じサイズなんです。広いですね~。
高山市というより飛騨高山と言ったほうが、皆様には馴染みがあるかもしれませんね。到着してすぐに美味しい空気と素晴らしい大自然に囲まれてワクワク、雪景色が大好きな私としては最高の気分でした!
さて、高山市は10年以上前から「 日本の原風景を残す街」として紹介され、海外からの観光客も増加しており、仏ミシュラン旅行ガイドでは必見の観光地として3ツ星を獲得しています。高山市内を歩きましたが、特に中国、台湾、東南アジアからの観光客が多いように感じ、体感的には市内観光客の半分ぐらいは外国の方ではなかったでしょうか...。
ここは、2016年に公開、空前の大ヒットとなった新海誠監督作品のアニメ映画「君の名は」の舞台のモデルにもなった場所です。JR高山駅から徒歩25分のところにあるこの日枝神社が、この映画に出てきた宮水三葉たちの住む糸守町にある神社「三宮神社」のモデルと言われています。ここでも多くの外国の方を見かけました。

【日枝神社】

 
2017年当時、この映画は日本だけでなく、アジアでも大ヒットとなり、アジア圏で6冠(映画ランキング1位、日本、台湾、香港、タイ、中国、韓国)を達成しました。
飛騨高山を訪れている外国人観光客の中には、この映画がきっかけとなり、訪問している人もいるかもしれません。外国人に絶大な人気を誇る飛騨高山のようです!
そして、高山市と言えば、高山祭ですね!まだ、私は高山祭を見たことがなく、いつか足を運んでみたいと思っていたので、せめて高山祭屋台だけでも見ようと高山祭屋台会館へ行ってきました。
京都の祇園祭、埼玉の秩父夜祭、そして、ここ高山市で開催される高山祭が日本各地に数多くある祭の中でも特に美しいとされていて、「日本三大美祭」と呼ばれています。
高山祭は、下記の二つの祭りで構成されています。
・春の高山祭(山王祭)は日枝神社の例祭で、毎年4月14日・15日に開催
・秋の高山祭(八幡祭)は櫻山八幡宮の例祭で、毎年10月 9日・10日に開催
飛騨の領国大名金森氏の時代(1585年~1692年)が祭りの起源ですが、屋台の起こりは1718年頃といわれています。山間部にある飛騨エリアは寺院の造営など技術で貢献をしていた土地だそうです。
そんな中で磨かれていった優れた建築、木工技術が祭り屋台の製造に最大限に生かされており、美的評価の高い祭りの一つとして認められるようになったそうです。鍛冶屋、大工、指物師、塗師、金具師など匠たちの技術を結集して作られたのがこの高山祭屋台です。装飾が本当に綺麗でした!

【高山祭屋台】 

【高山市三町伝統的建造物群保存地区】

さて、この日は、「さるぼぼ」を製作している有限会社オリジナルさんを訪問させていただきました。
途中、高山市三町伝統的建造物群保存地区を通りましたが、昔の街並みを再現しており、昔にタイムスリップした感覚になりました。お店や街のいたるところに大小様々な「さるぼぼ」が置いてあり、足を運んでみてあらためて「さるぼぼ」が高山の街の大切なシンボルの一つであることがよくわかりました。
ん、「さるぼぼ」って? 聞きなれない名前ですよね。本来、「猿ぼぼ」と書きます。 これは、昔から飛騨地方で代々女の子が生まれた時に各家々に伝え残され、親しまれてきた郷土の玩具の一つなんです。
現代では、素材も形も綺麗な人形となっていますが、大正末期頃は真っ赤な細長い布に黒地の頭といったくしゃくしゃの愛嬌のある人形が、まり、お手玉などと一緒に幼い女の子たちの人気を集めていたようです。

【さるぼぼ】

「さるぼぼ」の原型はおよそ1200年前の奈良時代に中国から伝わった「這子(ほうこ)」(這い這いする子供を象った魔除けの人形のこと)や「天児(あまがつ)」(守りとして幼児のそばに置き、凶事を移し負わせる形代の役をさせる人形のこと)だと言われています。
当時は貴族社会でお産の際に安産のお守りとして産屋に飾られていたようです。その後、江戸時代に入ると民間にも広まり、這子を幼児の祓(はらい)の具として用いるようになり、中期には嫁入りの際にも持たせたり、娘のお守りとして安産や幸せな結婚を願い、さらには子どもに遊び道具として与えて健康を願ったと考えられています。
時代が進み、他地域ではあまり作られなくなり、岐阜県の飛騨地方のみの風習となったそうです。
そして、お母さんやおばあさんが娘や孫のために作るさるぼぼが、猿の赤ちゃんに似ていることから、飛騨の方言で「さる=猿 ぼぼ=赤ちゃん」で「さるぼぼ」と呼ばれるようになりました。
猿は音読みで【エン】と読むため、「縁」とかけて「良縁」「家庭円満」、また訓読みで【さる】と読むため、「去る」とかけて「病が去る」「災いが去る」というふたつの意味をかけて、現在のさるぼぼとして知られるようになったそうです。(有限会社オリジナルHPより抜粋)
なぜ「さるぼぼ」には顔がないのかと不思議に思われた方もいるかもしれません。
「さるぼぼ」の顔は、楽しい時は一緒に微笑んでいるように見え、また、悲しい時は寄り添って一緒に泣いてくれる顔に見える。そんな人の喜びや悲しみを「さるぼぼ」は受け止めて、映し鏡のように見せてくれる人形のようです。
「子どもたちが元気に育ちますように」、「娘(孫)に元気な赤ちゃんが生まれますように」、「結婚した娘(孫)が仲良く円満に暮らせますように」と「さるぼぼ」にはそんな思いが込められています。

【さるぼぼについて語る有限会社オリジナルの中澤社長】

「あなたに幸せが訪れますように」と願いをこめて、有限会社オリジナルさんは皆様の元へ日々「さるぼぼ」をお届けしています。
お忙しい中、お時間をいただき本当にありがとうございました!
これからもどうぞ宜しくお願いいたします!
◆有限会社オリジナル 本社
【住所】岐阜県高山市上岡本町3-376
【電話】0577-35-1230 【FAX】0577-34-7750

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