【バイヤー日記】バイヤー中西がひな祭りのアレコレをお話します!

ひな祭りの深みに迫る!

どうも、バイヤーの中西です。今回は、ひな祭り・ひな人形の知っていそうで知らない、知っておいて損はない豆知識をお話しします!
老舗有名人形店から聞いたお話しも交えながらお伝えしたいと思います。

ひな祭りの歌の秘密?

皆さんはひな祭りの歌というとどの歌を思い出すでしょうか?
私は、「あかりをつけましょぼんぼりに…♪」で始まるあの歌です。

ですが、最初、歌の名前がわかりませんでした(笑)
「あかりをつけましょぼんぼりに…♪」のフレーズから始まる、ひな祭りの歌・・・。
そう、この歌は「うれしいひなまつり」という名前の歌なんですね。皆さんもどこかで一度は聴かれたことがあると思います。このメロディを耳にすると、ひな祭り気分になるという方も多いのではないでしょうか?
この歌は終戦後に大ヒットした「リンゴの唄」の作詞をしたことで、一躍有名になった作詞家サトウハチローさんが作詞した歌なんですね。(古すぎるか(笑))
「うれしいひなまつり」も同じ頃に作詞されたそうです。
この「うれしいひなまつり」の2番ですが
お内裏様(だいりさま)と おひな様
二人ならんで すまし顔
嫁にいらした 姉様に よく似た官女の 白い顔
私は、長い間、お内裏様は男性、お雛様は女性と思い込んでおりました。
しかし、お内裏様というのは、上の段に座る男雛と女雛両方のことで、二人合わせてお雛様なんですね。お内裏様という言葉は、宮中の「内裏(だいり)」という場所に由来し、その中に儀式・公務・謁見の場所や天皇の住まいなどがあります。また、江戸時代にはすでに天皇や皇族に対しての呼び名としても「内裏」という言葉が使われていたようです。
この曲において「お内裏様」と言うのであれば、両陛下、つまり男性も女性も一括りで言い表しているため、そのあとに「お雛様」と歌詞が続くのは、意味合いとしておかしいのです。

ひな人形の並べ方は?

次にひな人形の並べ方ですが、左右どっちが男雛(女雛)なのか?
これは、こうしなければならないという厳格な決まりはないそうです。しかし、お雛様は天皇皇后の結婚式を模した飾りと言われているので、大まかにお人形やお道具の位置は決まっています。「関東雛」は向かって左がお殿様、「京雛」は向かって右がお殿様として飾られています。「関東雛」が全国的に広まっていますので、京都や近畿地方の一部を除けばほとんどが「関東雛」の飾り方になっているそうです。 (ちなみに、結婚式の新郎新婦の並び方とも同じらしいです)

ひな人形は子どものため...だけじゃない?

さて、そもそもひな人形は誰が買うものなのか?
そんなことを疑問に思ったことありませんか?
「そんなの子どもの親に決まっているでしょう」そんな声が聞こえてきそうですね。種類にもよりますが雛人形はけっして安くありません。せっかく子供の成長と幸せを祈る節句が、誰が買うべきなのかで両家のトラブルになってはいけません。
結論、もう少し昔の風習になるかもしれませんが、母親の実家(祖父母)から贈るのが一般的だったそうです。これはひな飾りが古くは嫁入り道具のひとつだったためです。
昔の上流階級では、婚礼調度品のミニチュア版をわざわざ作って「これだけの家財道具を持たせて嫁にいかせますから嫁をヨロシク!」と嫁ぎ先に届ける習わしがあったとのこと。これが庶民に取り入れられて、現在に至るわけですね。
また、一緒に暮らしていない祖父母が初節句のひな祭りを贈ることは、娘や孫の顔を見に行くためのよい口実になったのかもしれませんね。
現代では自分の子どものために親が購入することも多いですし、双方の実家で折半するというケースもあり、絶対に母親の実家が買うという決まりはありませんので、皆さんが和やかに話し合って決めるのが一番よいと思います。
では、ひな人形は誰が選ぶのか?先程の話しの流れでいくと、昔は母親方の両親ということになりそうなのですが、ここについても決まりやしきたりはありません。しかし、勝手に祖父母が選んでしまうとあとでしこりを残すことにもなりかねませんので、ここにも注意が必要なのです。ひな人形を選ぶにあたり決めることは、大きさと値段です。だいたい人形の数が多いと全体のボリューム感があり、値段が高いです。お雛様セットにもよりますが、通常サイズは設置するとけっこう部屋のスペースをとるので、狭い家には不向きです。
家族がくつろぐリビングがその部屋に充てられそうですが、小さい子供の一撃で何十万もする人形の首が吹っ飛ぶ可能性を考えると、お母さんは人形の置き場所を一生懸命考えます。結果、普段出入りの少ないお父さんの部屋にひな人形が置かれてしまうこともあります。(私の知人は毎年、ひな人形の季節になると人形に場所を占領され、部屋の隅においやられたと聞きました)
ひな人形の選定は部屋数や間取りを考慮することになります。
ならば、「小さければ問題ないやろ!」となりそうですが、問題はもう少し複雑なのです。
母親方の両親からすると「あまり小さくて粗末なひな人形は相手側の家に対して失礼になる」と考えることもあります。ここにお金の出し手となり得る両家の希望が当然入ってくるわけです。また、お雛様は時には訪ねてくる知人への見栄を張る道具としても使われます。なので、あまり小さすぎると子供のお母さんが十分満足していない可能性があります。
小さければよいとも言い切れませんので、ここは十分に検討する必要があります。
また、ひな人形は、子供が生まれたら、すぐに初節句のひな人形を選ぶのが良いみたいです。さらに次女が生まれた際にはもう1つ新しいひな人形を用意してあげるのが良いでしょう。
なぜならひな人形とは本来、子供の災厄や災難の身代わりとなる「人形(ひとがた)」(「形代(かたしろ)」ともいう)だからです。これは、お守りと同じく、1つの願いにつき1つ用意するものです。長女のために用意したひな人形は長女の災厄を引き受けるひとがたで、次女も一緒に守ってもらうという願い方は誤りなのです。

いざ、ひな人形を飾ってみましょう!

さて、買うことを検討している方へお話しさせていただきますと、ひな人形の出し入れは想像以上に手間がかかります。「はー、また、今年もひな人形を出すのか・・・」とため息をついていたお母さんもけっこういました(笑)ひな人形セットにもよりますが、本来ひな祭りの唄にもあるように、15人揃いが基本形です。内裏雛(2人)、官女(3人)、五人囃子(5人)、随身(2人)、仕丁(3人)ですが、こんなにたくさん人形がっ!
しかも、これらの人形は綺麗に箱に収まっていて、ポンと出てくるわけではなく、だいたいバラバラに箱に入っています。人形の帽子みたいなやつ、正面に抱えている木の棒みたいなやつ、細々とした備品がたくさん人形にはついており、すべて人形にセットしていきます。人形の数が多いとどの人形に何がついていたのかよくわからなくなります。(笑)

さらに、人形以外にも「牛車」、「灯りセット」、「桃の木」、「皿」やら何やらいっぱい設置しなければなりません。あと、最初にお雛様を設置する台の組み立て作業があることをお伝えしておりませんでしたが、これはこれでけっこう大変な作業です。
(このような面倒な作業は、だいたいお父さんの仕事になる家庭が多かったように思います)
完成! やったぞ! そして、3月3日本番の約一ヵ月前にはひな人形も綺麗にセットされ、最初の一日二日は家族の注目を集めます。しかし「壊れるから人形に絶対にさわらないように!」というお母さんから子供への厳しいお達しもあり、それから本番の3月3日までいつの間にか雛人形は忘れ去られます(笑) (電気代がもったいないので、お雛様を綺麗に見せる灯りも当日以外ほとんどつけない)
ようやくひな祭りが終わると綺麗に掃除をして収納しますが、大小の箱が山のようにあり、どれがどの箱に収まるのか、これはこれでとても大変な作業なのです。
ひな人形を購入される場合、このようなことも考慮して、ひな人形を出し入れされるであろうお母さんの意見を反映させるのが家族全員一番ハッピーになる方法かもしれません。
ひな祭りはお子様の健康と幸せを祈る大切な行事です。誰がひな人形を買うか、いつ買うかに明確な決まりはありませんが、迷った際は上記を参考に、ご家族で和やかに話し合うようにしてください。

オマツリジャパンのお店でもひな人形を取り扱っていますので、よろしければぜひ覗いてみてくださいね〜

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