自分でつけた梅や梅料理を味わいませんか?

(※この記事はメディアサイトオマツリジャパン『マツログ』で公開したものを加筆・編集したものです)

6月は梅雨もあって「梅」と縁が深い時期。暦の上では立春から数えて135日目が雑節のひとつ「入梅」となり、2023年は6月11日(日)がその日にあたります。何より、梅の実が穫れるのがこの時期ですよね。

というわけで今回は、梅の実を使って梅酒や梅ジャムなどを作る「梅仕事」についてご紹介します。

梅仕事とは?

その年の5月から7月にかけて収穫した梅を使って保存食を作る、そのことが梅仕事と呼ばれています。
作るメニューの代表格は梅酒や梅干しですが、他にも梅シロップやドレッシング、梅エキス、ピクルスや漬けもの、甘露煮やジャムなど実に様々な食べ物・飲み物を自宅で作ることができます。

梅の収穫時期と熟度とメニュー

梅の実は地域によって少し差がありますが、おおかた5月の中頃から膨らみ始めて6月上旬に大粒の青梅に、6月中旬以降に黄色く熟して7月に入ると少し赤みを帯びて超完熟梅となります。
収穫時期と熟し具合によって、適しているメニューが変わるのもまた梅仕事の面白いところ。作りたいメニューを決めてタイミングを逃さずに作るもよし、その時期に穫れた梅に合った保存食を作るもよし。この時期ならではの自然の恵みをいただいて楽しみましょう。

◎5月中旬~下旬

この時期の梅は「小梅」といい、まだ梅が小粒で緑色をしており硬いのが特徴です。カリカリとした食感が癖になる、小梅漬けにするのがおすすめです。

◎6月上旬~中旬
この時期の梅がいわゆる「青梅」。緑の大粒で硬い実で、梅酒や梅肉エキスを作るのに最適です。梅シロップも一緒に作れば、家族みんなで楽しめます。その他、しょうゆ漬けなどにするのもよいですね。

◎6月中旬~下旬
この時期の梅は「完熟梅」といい、黄色く熟し始めるもののまだ硬さのある状態です。お弁当のお供にかかせない梅干し作りには、この時期の梅を使います。

◎7月上旬~中旬
7月は「超完熟梅」の時期です。果肉が柔らかいこの時期の梅では、爽やかな酸味と甘みが美味しい梅ジャムが作れます。料理に添えたり紅茶に入れたり、色々な楽しみ方ができます。

梅仕事で作ろう!保存食のレシピ

夏を迎えるとどうしても夏バテして疲れが抜けなかったり、食欲が落ちたりしがちです。梅の酸っぱさのもととなるクエン酸は、疲労回復や食欲増進に効果的なので、この季節に作るのにぴったりの保存食といえます。ここではおすすめのレシピを3つご紹介します。

◎梅シロップ

大人から子供まで楽しめる梅シロップに必要な材料は、青梅1kgと氷砂糖1kgだけ。氷砂糖がなければグラニュー糖や上白糖でも作れます。

【作り方】
  • 梅の表面の汚れを水で洗い落とし、竹串で1つずつヘタを取ります。
  • 水に約5時間漬けてアクを取り、しっかりと水気を拭き取ります。
  • 消毒用エタノールなどで容器を入念に消毒し、砂糖と梅を交互に詰め込んでいきましょう。一層につき砂糖は梅が隠れるくらいが目安です。
  • 蓋をして冷暗所に置きます。一日に1~2回は容器を振り中身を混ぜ、梅エキスを出させて早く砂糖が溶けるようにします。
  • 10日~2週間後、砂糖が完全に溶け梅の表面にシワができたら出来上がり。シロップを弱火にかけて白いアクを取り、一晩冷まして消毒した保存瓶に濾しながら入れます。

できあがった梅シロップは梅ジュースや梅サイダーのほか、牛乳で割るととろみが出て飲むヨーグルト風に楽しめます。豚肉を梅シロップで煮込めばおかずになり、ゼラチンで固めて梅ゼリーにしたり、そのままかき氷のシロップにしても美味しいですよ。

◎梅ジャム

ここでは完熟梅を使ったレシピを紹介します。材料は梅1㎏と砂糖だけ。砂糖の量は梅の40%~80%を目安にお好みで調整してください。

【作り方】

  • 完熟梅をさっと水洗いし、竹串で1つずつヘタを取ります。
  • 梅から酸が出るのでホーロー製やフッ素加工された耐酸性の鍋を用意し、梅とたっぷりの水を入れて弱火にかけます。
  • 沸騰直前に火を止めてそのまま冷まし、ザルにあげて実をつぶし、種をとります。
  • 実と少量の水を鍋に戻してひと煮立ちさせ、砂糖の半量を入れて混ぜながら5分ほど煮ます。
  • 残りの砂糖を味を見ながら加え、よく混ぜてトロトロの状態で火を止めてできあがり。
  • 保存する場合は、よく消毒した容器に熱いうちに詰めます。

梅ジャムはパンやクラッカーにはもちろん、ヨーグルトやチーズケーキのソースとしてもよくマッチします。紅茶に入れてロシアンティー風にいただいたり、冷水で割ると即席の梅ジュースにもなるのでおススメです。

まとめ

日本では梅の収穫時期には、「梅仕事」をする習慣が引き継がれてきました。疲労回復や食欲増進など、夏を乗り切るための保存食として梅は重宝されています。特に今回ご紹介したレシピは、材料が極めてシンプル。今年はぜひ梅仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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