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全国のちょっと変わった「性の奇祭」3選!子宝・安産を祈念する縁起物もご紹介

(※この記事はメディアサイトオマツリジャパン『マツログ』で公開したものを加筆・編集したものです)

日本全国にはちょっと変わったお祭り「奇祭」があります。その中でも、性にまつわる奇祭はさらに変わったお祭りです。
一見、面白おかしくみえますが、大真面目に子宝や安産等を祈念して実施されています。

今日はそんな、子宝・安産を祈念した性の奇祭をご紹介します!

①豊年祭【愛知】

長さ2メートル、直径60cm余りの男根を毎年ヒノキで作成し、厄年男たちが担ぐ奇祭。五穀豊穣と子孫繫栄を祈ります。
当日は多くの外国人客も来場し、「見比べて 笑えこの梅 あのさくら」の詩のごとく、国境を越えた笑みの絶えない天下の奇祭です。

■日時:3月15日(毎年)
■場所:田縣神社(たがたじんじゃ)〈愛知県小牧市田県町152〉
■交通:〈名古屋駅〉から名鉄犬山線に乗車→〈犬山駅〉で名鉄小牧線に乗り換え→名鉄〈田県神社前駅〉下車、徒歩5分

②かなまら祭【神奈川】

「誰もが差別を受けずに祭りを楽しめるように」という願いから生まれた、関東を代表する大らかなグローバル性の奇祭。巨大な男性のシンボルがピンクに塗られた「エリザベス神輿」はインスタ映えもバッチリ。ここでしか舐められない名物「子宝飴」は早い時間に売り切れ必至です。子孫繁栄や安産・縁結びのご利益を求めてか否か、毎年多くの外国人を含めた観衆でにぎわいます。

■日時:毎年4月第一日曜
■場所:若宮八幡宮 金山神社 川崎大師(神奈川県川崎市)
■交通:京急大師線「川崎大師」駅より徒歩2分

③あらい祭り(大根祭り)【千葉】

祭りの当日は、村中「鍋かけず」と言って各家のカマドには火を焚かず、当番の家に集まり「神の食」を食べ、祭事を祝います。祭壇には、男女のシンボルを模した「神物」が飾られます。無病息災を祈り獅子舞が行われ、獅子がその「神物」を新妻の食前に出し子孫繁栄を願います。一方その頃、神社では、子どもたちが、宮司らが神社の正面から入るのを阻止するため、小屋に火を放ち、大根を宮司らに投げつけます。男の子たちはこの日のために1ヶ月前から「カヤ」を集め、竹でやぐらを組み、小屋を準備していたのです。

■日時:毎年12月14日
■会場:大宮神社(千葉県山武郡芝山町山田1441)
■交通:芝山鉄道線「芝山千代田駅」からバスで10分

まとめ

いかがでしたでしょうか、全国の性の奇祭。どれも露骨で特徴的ですが、子宝や安産などを祈念するれっきとしたお祭りなのです。 インスタ映えも必須なので、是非一度足を運んではいかがでしょうか?

子宝・安産を祈念する縁起物3選!

とはいえ、性の奇祭、なかなか近寄り難い雰囲気もありますよね・・・(笑)
オマツリジャパンでは、子宝・安産・子どもの成長を祈念する縁起物も取り扱っていますのでこちらもぜひチェックしてみてください。

安産・子授け・商売繁盛 ー 瓦猿

瓦猿の起源は江戸時代。当時、和歌山県の和歌山市田中町は瓦町と呼ばれ、瓦職人の街として栄えていました。
瓦猿はその職人が栗林八幡宮境内の日吉神社に奉納するために制作されたといわれています。

猿は日吉神社の総本山である比叡山日吉大社において、鎮守・日吉山王権現の遣いとされていました。そのため、職人は猿の姿を模した瓦を神社へご奉納したのです。
また瓦猿は、両手に吉祥文様の桃を抱いているのが特徴的。邪気を払い、不老長寿を与える効果があるとされており、安産祈願や子授けの意味を持って奉納されることもあったといいます。

瓦という素材の特性上、なんども何度も色付けすることでやった彩色できるという瓦猿。
ひんやりと、そしてズシリと重い感触とそれとは対照的な温かな想いや、素朴な佇まいをお楽しみください。

瓦猿

家内安全・子孫繁栄 ー 甲州親子だるま

山梨県で百年以上も前から親しまれている、甲州親子だるま。
大きな親だるまが、小さな子だるまを抱えているその形は全国的に珍しく、家内安全と子孫繁栄を祈る人々に永く愛され続けてきました。

彫りが深く、きりっとした顔つきの“甲州だるま”。眉毛と髭で亀と鶴を表現するのが特徴的です。その顔つきには、山梨の地で長く活躍した武田信玄の影響があるといわれています。
白に込められているのは、山梨の地場産業・養蚕と綿への豊作の想いだといいます。ちょっと困ったような優しい表情の親だるまと、元気いっぱいの目をした子どもだるまは、見ているだけで和んでしまいます。

甲州親子だるま

成長祈願・子孫繁栄 ー ざるかぶり犬張子

犬が顔を覆い隠すほど大きな笊(ざる)をかぶっている、ざるかぶり犬。江戸時代から親しまれている、江戸の有名な郷土玩具です。

まだ医療が十分に発達していなかった江戸時代。病気や怪我で亡くなる子どもが多くいたとされています。そのため親は子どもに、願いをこめたおもちゃを与えるようになったのです。
ざるかぶり犬に込められている願いは成長祈願。犬は安産であり、また多産であったため、子孫繁栄の縁起物として人気があったのです。また出産見舞いやお宮参りの品としても贈られていました。

ざるかぶり犬が被っている笊は竹で編まれたもの。赤ちゃんの夜泣きなどは昔、体内で虫が悪さをしているのが原因だと考えられていたため、その虫を笊で掬い取る「虫封じ」のまじないが込められています。
また、笊は編み目から水を通すため「鼻詰まりが治るように」との願いも込められているのです。さらに「犬」の頭に「竹」の笊が被さっていることから「笑」という漢字を表しているとされ、笑いで福を呼び込む笑門来福の縁起物としても親しまれています。

江戸小物玩具 ざるかぶり犬張子

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