瓦猿

2,510円 (税込)

瓦でできた、和歌山県の郷土玩具です。安産・子授け、商売繁盛の願いが込められています。

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瓦猿とは

瓦猿の起源は江戸時代。当時、和歌山県の和歌山市田中町は瓦町と呼ばれ、瓦職人の街として栄えていました。瓦猿はその職人が栗林八幡宮境内の日吉神社に奉納するために制作されたといわれています。
猿は日吉神社の総本山である比叡山日吉大社において、鎮守・日吉山王権現の遣いとされていました。そのため、職人は猿の姿を模した瓦を神社へご奉納したのです。 また瓦猿は、両手に吉祥文様の桃を抱いているのが特徴的。邪気を払い、不老長寿を与える効果があるとされており、安産祈願や子授けの意味を持って奉納されることもあったといいます。

江戸時代は数多く活動していた瓦職人ですが、時代と共に数を減らし、同時に瓦猿も姿を消していきました。現在では野上家の野上さんただ一人が取り扱っています。
製造に使われる型は、野上さんの一族が江戸時代から使い続けてきたもの。少しずつ改良を加えつつも数百年にわたって受け継がれてきた伝統の型です。

瓦という素材の特性上、なんども何度も色付けすることでやった彩色できるという瓦猿。 ひんやりと、そしてズシリと重い感触とそれとは対照的な温かな想いや、素朴な佇まいをお楽しみください。

変わらざる想いを“瓦猿”にこめて

“瓦猿”という郷土玩具が親しまれているのは、和歌山県和歌山市。

大阪に程近い和歌山県では商売人たちが験(げん)を担ぐために、様々な風習が存在していました。“瓦猿”もそんな験を担ぐ縁起物の一種。“変わらざる”とかけ、商売繁盛の継続を願ったのです。

お話を伺った野上さんは、“瓦猿”の始まり、江戸時代より現代まで“瓦猿”の文化を継承している唯一の方です。

瓦という業界全体で縮小が進む中「それでも“瓦猿”を続けていきたい」と話す、野上さん。その言葉には、先祖代々受け継いできた文化、そして野上さん自身が感じる瓦への魅力があると話してくれました。

野上さんの感じる瓦の魅力とは?未来への新たな動きとは?“瓦猿”の歴史を辿り、“瓦猿”に込められた野上さんの想いに迫ります。

商人の験担ぎ 瓦猿の歴史

「今は桃を持った猿が残っていますが、鶏を持っていたり、なにも持っていなかったりする猿も記録に残っています。
いくつか製造した中で、魔除けの効果があるとされている桃を持った猿が受け継がれてきたのでしょうね。
実際桃は、古い日本の建築で屋根や塀などの飾り瓦に使われているんですよ。」

そう話すのは、現在、ただ一人となっている瓦猿職人を取り扱っていらっしゃる、野上さん。

由来には他にも説が存在しますが、現在に至るまで親しまれ、伝え続けられているのは、野上さんが扱う桃を持った猿の一種類のみ、となっているのです。

「瓦には夢がある」 瓦への想い

「『なんだこれは?』と思いましたね。瓦と同じ素材であることは間違い無いですが、瓦ではない。それでも母がたくさんの“瓦猿”に、何度も色をつけ発送しているのを見て『大切なものなんだろうな』と感じていました。」

そんな“瓦猿”を今もつくり続ける野上さん。 「“瓦猿”をつくることで想いを繋いでいきたい。」と話します。

「瓦には元来、そこで暮らす人々のために神様への願いが込められていました。鬼瓦は魔除けの典型ですし、鯱鉾(シャチホコ)もそうですね。

“瓦猿”も同じです。

“瓦猿”は最初、商売繁盛や安産祈願といった願いが込められた、町の人々に親しまれる小さな猿の置物でした。
それがやがて多くの人から郷土玩具として注目を浴びるようになり、日吉神社には、これまでに奉納された膨大な数の“瓦猿”が保管されています。
“瓦猿”の型も、原型に少しずつ手が加わって現在の形となっています。
私はそういった、積み重ねられてきた想いを受け継いでいきたいんです。」

瓦猿をこれからも

たくさんの人の想いがこめられた“瓦猿”という伝統。
これまでには、安産祈願のご利益から不妊の悩みを抱えている方にお求めいただくこともあったといいます。
「その方は無事ご懐妊され、その後はお礼状をいただきました。私の知人にもそういった効果を実感された方がいて……。不思議な力が宿っているんだろうなと思っています。」と野上さん。

また上述のように“変わらざる”という言葉にかけて、商売繁盛の願いをかけて購入される方や、郷土玩具としてコレクションするために購入される方もいるとのことです。

今“瓦猿”は、かつてのような形ではなく、野上家で代々受け継がれてきた型を淡路の職人に預けることで製造されています。

「私は父から“瓦猿”を受け継ぎましたが、今は息子が“瓦猿”の文化を受け継ぎ、動いてくれています。
“瓦猿”だけを本業でやっていくのは難しいですが、そんななかでも伝統や想いを絶やさないように活動してくれるのは嬉しいですね。」

瓦や“瓦猿”のお話を嬉しそうに、とめどなく話してくださる野上さん。
彼のお話からは、ひんやりとした“瓦猿”につまった、伝統への情熱が伝わってきました。

商品仕様等

商品名 瓦猿
大きさ 商品はすべて職人の手作りのため、描彩や大きさ、形状が写真と若干異なる場合がございます
形状 横約3.5cm×奥行約5cm×高さ約11cm
商品仕様について 素材:瓦製
おすすめ ・かつて和歌山市に住んでいた方 ・変わらない想いを大切にしていきたい方 ・健康や出産・安産を祈願したい方
配送スケジュール 到着まで3〜5日かかる商品です。
配送について 「野上家」からの発送商品です。
送料について 表示価格は送料込み価格です。

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